自尊心に注意
うつ病の患者は、自尊心を失っている場合が多いと考えられています。そのため、欧米のうつ病治療では薬物療法と並行して、カウンセリング治療も行い、患者の自尊心を快復していくのが一般的です。
自尊心、および自尊感情というのは、「自己の存在やあり方を大切に思う感情」をいいます。self-esteemという訳語があてられることが多いです。プライドや傲慢、驕り、および自惚れとは異なるものです。精神医学的な意味での自尊心とは、ありのままの自分を受け入れ、誇りをもつということです。また、日本語でプライドとは、自惚れや傲慢さを意味することがあり、自尊心とは区別する必要があります。
自己肯定感は人格形成や情緒の安定に重要です。自尊心のない者は自分を信用することができません。そのため、自分の能力に対して懐疑的になってしまい、主体性や自信を形成することができず、何もできなくなってしまいます。また、自尊心の欠如は、自制心(セルフ・コントロール)の喪失を招き、アルコール・薬物依存や、過食症・拒食症などの摂食障害といった精神障害を招くこともあります。
ただし、うつ病の治療においては過度の励ましは自尊心の快復でなく、単なるプレッシャーを与えるだけになってします。安易に「がんばって」などの言葉がけは逆効果です。プレッシャーは、事態をますます悪化させる恐れがあります。